コウタロー速報

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【アメコミ】もう一つの「トランスフォーマー」を描いた名作 GOBOTS tom scioli【トランスフォーマー】

どうも、コウタロー です

みなさんは「ゴーボッツ」を知っていますか?

 

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このゴーボッツとは元々日本ではマシンロボとしてお馴染みの一作

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TFに先駆けて登場したこの商品は安価ながらもダイキャスト製変形ロボという部分から結構な人気を得てアメリカ輸出されトンカ社によりGOBOTSと改題されて発売されました。

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そしてその際に宣伝用のアニメを作ろう!

ということでなんと「フリントストーン」「スクービードゥ」などでお馴染みのハンナ・バーベラがアニメを製作しました

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ハンナ・バーベラ初のロボアニメですよ!(多分)

 

パッケージにいる飛行機に変形するロボ

リーダー1率いるガーディアンズ

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この左端にいるおっさんみたいなロボバイクに変形するサイキル率いるレネゲイドとの戦いを描いた作品です。作画がゆるくてかわいいね

 

このゴーボッツ、人気的には残念ながらトランスフォーマーに負けたらしいですが

高〜〜いTFを買えない家庭にはその安さから支持されまあそれなり〜に人気だったらしいです。

 

TFと間違えて親がゴーボッツ買ってきていらないから焚き火に投げて燃やしたみたいな話もあるらしいですが…

 

そんなそれなり人気のゴーボッツも映画の不振と円高により終焉を迎えます。

 

円高はまあ安いがウリのゴーボッツからしたら壊滅的ですが

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映画初登場のキャラが乗り物じゃなくて岩とかそりゃまあ売れないわな!!!!!!!!

これマジ?TFザムービーに対して新キャラが貧弱すぎるだろ…

 

そんな展開をたたんだゴーボッツですがなんと後にトンカそのものがハズブロに買収

 

かつてライバルであったTFに吸収という尊厳破壊的屈辱を得ます

 

TFとなったゴーボッツの境遇はまさに悲惨そのもの

ゴーボッツという名はミニカーTF未就学児向け商品ブランド名にされ

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海外版マイクロン伝説ではメガトロンが使うマイクロンの名前にかつての正義側のリーダーの名前だった「リーダー1」という名をつけられて

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アメコミでは「メガトロン・オリジンに若き日のメガトロンに倒されるやられ役としてサイキル(らしき人)が出演(後に修正される)

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などなどマジでかわいそ〜〜〜な扱いを受けてました

 

そんなTFに負けて取り込まれて雑に扱われていたゴーボッツですが2018年のコミコンにて衝撃的なニュース出ます

 

「TFコミックでお馴染みのIDWがゴーボッツのミニシリーズを出すことを発表」

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「あと魂ネイションがマシンロボ の新作玩具的なヤツを展示」

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そう、ゴーボッツとマシンロボ まさかの同時復活です。

まあマシンロボ の方はこの展示以来音沙汰がマジで無いんでポシャったと思いますが………

 

それはともかくこの記事の本題であるゴーボッツのアメコミがようやく出ました 長かった…

 

コミックを手がける作家はTom scioli

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読み方はトムシオリ

アメコミ界のキングとも呼ばれる偉大な作家ジャック・カービー

(キャプテンアメリカとかアベンジャーズ とか最近公開した MCU映画エターナルズの原作を書いた人)

超絶凄すぎる絵(こんなやつ↓)

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に惚れた彼はカービーに強く影響を受けた昔のアメコミ!って感じの絵でコミックを描いてます。

 

ゴーボッツ以前からトランスフォーマーvsGIジョー」独特すぎる作画

冥界から蘇ったコンボイが白くなってウルトラマグナスの胸から出てきてメガトロンへアッパーをカマす

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という玩具の仕様を生かしたわけわからんけどアツい描写などから話題になり

 

ゴーボッツ以後もマーベルで

「グランドデザイン ファンタスティックフォー」

で敬愛するカービーの代表作であるFFを手掛け

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パンサー型ロボットを合体させた巨大ブラックパンサーロボを出したという狂った男です。

 

そんな彼がIDWへ自らプレゼンしてミニシリーズの連載を勝ち取ったのがこのコミックです。

どうなってしまうんだ………?

 

あらすじ

人間と乗り物に変形するロボット、ゴーボッツが共存する世界。しかしある日ゴーボッツの中にあった人を傷つけない為の倫理回路がゴーボッツ闘技場で戦わされていたバイクに変形するゴーボッツサイキルの暴走により回路を破り人間へ反乱するロボ達が出てしまう

軍に所属する飛行機に変形するゴーボッツの

リーダー1、車に変形するターボは相棒の人間と共にこの反乱を鎮圧しようとするが失敗

 

そして時が経ち

宇宙に行っていたスペースシャトル型ゴーボッツのスペイシーとその乗組員である宇宙飛行士達が帰還すると地球はサイキル率いるレネゲイド

リーダー1率いるガーディアンズが対立するゴーボッツの星になっていた…

 

といった要するにロボット版猿の惑星的な話やななってます。

 

ではこのコミックのどこが「ヤバい」のか?

それは3つのポイントで語りましょう

 

 

1.ダイナミックすぎるアート

 

前述した通りトムシオリ先生はカービー御大に影響されたダイナミックアートが特徴の作家です。

例えばこのシーン

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何だこの迫力!!?

アメコミのコマ割りは自由奔放なきらいがありますがこのページを見た時はロボット同士の戦いを躍動感を持ってこんな描けるの!?ってくらいビックリしちゃいましたね………

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そして絵柄も2018年とは思えないくらいクラシック!わざわざページの黄ばみまで再現している力の入れようとなっています。

 

この絵柄と古さが逆にレトロなスタイルのロボットであるゴーボッツ達にめちゃくちゃマッチしていていいんですよね…

作者のこだわりを感じます…独特すぎて拒否反応が出る人もいるかもしれませんが………

 

2.卓越した繊細なキャラ描写

 

ではこのダイナミックなアートと同じく作品もロボットアクションバイオレンスメガ盛りな作品と思うかもしれません。

 

もちろんそういった面もありますがゴーボッツ達のキャラ描写に関してはすごく丁寧であると思います。

 

例えば正義側のリーダーのゴーボッツ、リーダー1はかつて人間の相棒と共に戦っていましたが成り行きでガーディアンズのリーダーとなってしまいました。

しかし常に相棒への思いを捨てきれず、人間に関しても情を持ちながらもリーダーである為に非情な決断をしなくてはならない…といった苦悩が描かれています。

 

対する悪のリーダー、サイキルは生まれてから人間を恨んでいて飼育している生き残りの人間達を玩具のようにいじくりまわして変形しろ!」と憂さ晴らししたりギラギラとした野心とカリスマ性を持つ非情なキャラとして描かれています。

 

そういった「人間とロボットの関係性」を対比させて描いてるのがいい…

 

ダイナミックなバトル以外にも様々なゴーボッツ達の「思い」が繊細に描かれていてドラマとしても非常に楽しめるものとなっています。

 

3.溢れ出る「ゴーボッツ」への愛

 

トムシオリ先生自らが持ち込んだだけありゴーボッツへのこだわりがとても強くなっています。

そもそものキャラクターデザインがアニメ版の要素を取り入れつつも玩具に忠実なデザインですし登場するゴーボッツも乗り物系から岩石系に合体ロボなど非常に多彩。

「なるべくたくさんゴーボッツを出したい」といった先生の愛を感じました。

 

特にすごいと思ったのが劇中で出るゴーボッツの基地

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玩具まんまじゃねーか!!

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しかも右上にあるカフェテリアで乱闘するなど玩具のギミック自体をストーリーに組み込むといった

ブンドドの漫画化的なストーリーもたまらない……

 

そして愛がゆえに

先行者なのにトランスフォーマーに敗れてしまったゴーボッツ

といった玩具史の出来事も取り入れているのが凄い……

ネタバレになるので詳しくは言えませんがこの作品ふ「ゴーボッツのアメコミでありTFアメコミ」だと思いました……

 

【さいごに】

いかがでしたでしょうか?

この記事を書こうとしたきっかけは

そもそもTFオンリーで坂本ハヤト先生の本を買った際に好きなキャラを描いてもらえるとのことなので

「ゴーボッツのリーダー1をお願いします…!」

とリクエストしたところ

「誰……?」

と言われたショックから「布教しなきゃ!!!!」と思って書き殴ったものであります。

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坂本ハヤト先生のリーダー1は超カッコよくて良かったです………

(無茶なお願い聞いてくださりありがとうございます…)

 

翻訳が権利上の都合で絶望的な本作ではありますがこの拙い文から少しでも興味を持ってくださった方は是非Amazonでご購入頂けると嬉しいです……!

予備知識なくても面白いから…

 

 

ここまで読んでくださりありがとうございました!!!!!