【デュエルマスターズ】松本大先生が「大先生」である3つの理由
デュエマの生みの親の1人であり現在もなお一線級でデュエマ漫画をコロコロで描いてる
松本しげのぶ先生こと松本大先生
僕の中では久米田康治先生 グラント・モリソン先生と並ぶ尊敬してる漫画家の1人であります…
しかし!!!!
デュエマを長年やって色々な場所でデュエマ好きな方の話を聞いてみるとどうしても思ってしまいます…
松本大先生の大先生っぷり…
あんまり知られてなくね!?
もちろん大先生の大先生っぷりを知ってる方もいますが「デュエマの漫画だけ描いてる人でしょ?」みたいな認識をしている人も少なくはありません…
インターネット上での松本大先生の扱いの
一例を挙げると
これマジ?功績に対して記事が短すぎるしぞんざいな書き方すぎだろ…
コメント欄の方も見てみましょう
…ひどくね?(泣)
特に「松本先生いなくてもデュエマは生まれたと思うよ」
そんな冷たく言う必要ある!?ってくらいの暴言です
まあこれはあくまで6年前のコメントなんで現在は多少改善されている…とはいえ
やっぱりあんまり知られてないのでは??
と思ったので
今回は松本大先生の大先生ポイントを3つ紹介したいと思います!!!!!!
みんなも大先生について深く知ろう!!
大先生ポイント1
「キレッキレなデザインセンス」
デュエマに対する誤解の一つとしてよくあるのが
「デュエマの切り札級クリーチャーってイラストレーターがデザインしてるんでしょ?」
と言われている点
もちろんイラストレーターさんがデザインしたりしているクリーチャーもいますが
「ボルシャック・ドラゴン」「ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン」から「永遠のリュウセイカイザー」「熱血星龍 ガイギンガ」 「燃える革命 ドギラゴン」「ジョットガン・ジョラゴン」「勝熱英雄モモキング」…などなど
切り札級クリーチャーの元デザインのほとんどが
松本大先生デザインなんです!!!
(引用元 『デュエル・マスターズ プレイス』超特集! 松本しげのぶ大先生の『デュエル・マスターズ』のクリーチャーへのこだわりが明らかに!! | コロコロオンライン|コロコロコミック公式)
「ドラゴンにメカニカル鎧を着せる」という今となっては当たり前になってるデザインの生みの親も松本大先生だったりします すげえ…
このキレッキレのデザインセンスは現在でも衰えることはなくコロコロオンラインで一部公開されている松本大先生のラフ画を見ると細部は書き込まれてはいないもののラフ画の時点でクリーチャーのおおまかな超カッコいいデザインはあらかた完成しています スゴい…
というか革命Fでドラゴンをあらかた出し尽くしたから次の切り札は別の種類のカードにしよう!
とした時にTCGの切り札にありがちな剣士や魔法使いではなく西部劇のガンマンというあまりにもシブいセンスの時点で最早脱帽です
しかも後にパワーアップしたジョリーはジョギラゴンに乗る竜騎士となるセンスには最早凄すぎるとしか言えません…
キッズにウケるカッコよさを知り尽くしすぎかよ…
ちなみにこちら余談ですが初期からデュエマに携わっているコロコロ編集部の重鎮キクチ師範代と昔お話する機会があったのですが師範代曰く
「一年目のジョーカーズのデザインはすべて松本大先生がしている」
とのことです
公式の場での発言ではないので信じるか信じないかはあなた次第…ですが松本大先生ならマジでやりそうだなとも思いました
うーん凄すぎる…
余談ですが大先生が一番最初にデザインしたカード…リボルバー・フィッシュらしいです…
だけど本人も思いついた過程は思い出せないとか…
まあそうでしょうね!
大先生ポイント2
「デュエマのゲームデザインにもガッツリ関わっている!?」
デュエマといえばシールド5枚を全ブレイクされてダイレクトアタックされたら負け!というシンプルかつアツいルールが特色です
このルールにより「殴りたいけど相手に手札を与えたくないしシールドトリガーが出たら嫌だなぁ…」と攻撃に躊躇いが生まれてデュエマが一筋縄ではいかないTCGとなっている要因でもあります
そんな偉大なルールが発案するヒントを生み出したのもなんと松本大先生
シールドシステム自体はWOTCの発案ですが原案を大先生が出していたとはビックリです
無論、大先生がゲームデザインに関わっているのはこれだけではありません
表には出ていませんがデュエマの企画会議では積極的にアイデアを出すという大先生
例えばこのジョーカーズ
初期のジョーカーズが無色なのは大先生の発案で
「最初は無色だけどジョーが友達のデュエリストと出会うことで様々な色に染まっていくようにしたい」
というコンセプトを込めたそうです
確かにボルツに影響されて火
ミノまるに影響されて自然
キャップに影響されて水…と
最初は一人ぼっちで無色だったジョーが友達と出会うことで色を得るというのは
中々にエモいコンセプトであり
ゲームデザイン的にも
主人公の文明である火ばかり優遇されて他文明がイマイチになってしまいがち
という欠点も解消されるなど良いことづくめとなっていますね!まあ火は火でやっぱり暴れたけど…
あとバラギアラのツインパクト面のみが違うというアイデアも松本大先生発案だとか…
5色の力を得て暴走した自然のクリーチャーという
フレーバー的な要素とクリーチャー面は同じだけど呪文面は違うというゲーム的な面白さを両立したデザインは脱帽です
やはり天才か…
僕が知っているエピソードはこれくらいですが長い間デュエマに携わってきたのできっと更なるエピソードもあるでしょう
今後の情報公開に期待ですね!
大先生ポイント3
「やっぱり漫画が
めちゃくちゃ面白い!」
これはもう至極当然ですよね
そもそも最初デュエマはデュエマではなくMTGの販促漫画でした
主人公の勝舞くんも昔はデュエマではなくMTGをプレイして最強を夢見る少年だったのです
あまりにも無謀なタイアップ
さらに当時の大先生は「おどろき!桃の木商店街」というギャグ漫画しか書いたことがないという
正直こういう漫画に不向きな人物
しかし大先生はNACこと中村さんの監修を受けつつ自らMTGをプレイして学びカードとカードの激しい駆け引きに驚くようなコンボ、そしてプレイヤー同士のシビアな頭脳戦…と
漫画でデュエルを描く力を着々と身に付けていきます
特に現在MTGプレイヤーの中でもベストバウトと呼ばれている牛次郎編なんかが有名でしょう
対抗呪文による打ち消し合戦は未だに語り草となっており今でもよく語られるシーンの一つです
(引用 『デュエル・マスターズ プレイス』超特集! 松本しげのぶ大先生が語る『デュエル・マスターズ』誕生の瞬間!! | コロコロオンライン|コロコロコミック公式)
ですがこれは転機でもありました
松本大先生の描くMTG漫画は大人気ですがMTGはアメリカのTCG…故にコロコロ編集部と足並みは揃えづらかったのでしょう
そこでコロコロ編集部はMTGの販売元であるWOTCと手を組み新たなTCGを作ることにしました
それがデュエル・マスターズなんです
TCG漫画が面白すぎて人気だから別のTCG作ることになるってある???????
つまり松本大先生がMTG漫画を描かなければデュエマも生まれなかった…と言っても過言ではないでしょう
おい!!!!!
このコメントしたお前!!!!
聞いてんのか!!!!!!
さて、MTGファンからは現在も冗談半分憎しみ半分でネタにされてることでお馴染みの
「今までMTGだったのに白凰戦だけデュエマ 」を経てデュエル・マスターズは文字通りデュエマ漫画となります
その後は白凰も改心して友達になり
師匠キャラにデュエマで廃人にされかけられる
負けたら爆発して死ぬデュエマをすることになるなどはあるもののこの手のホビー漫画にはありがちな大会編(言うほどありがちか?)がアツい戦いを経て終わります
しかしこの大会編が終わると新たな敵としてやべーやつらが現れます…
それがザキラ様率いるA〜Zまでのメンバーが在籍する組織ガルド(このアルファベットが名前って設定マジでカッコよくないですか???)
「人の命はカードより軽い」という危険思想を持ち
カードの為なら殺人すら厭わないヤバすぎる人達です
ここからデュエマが単なるお遊びではなく
負けたら死ぬ殺人ゲームと化します
勝舞くんはなんだかんだでガルドから襲いかかる刺客を撃退して強いカードを護ります
そして色々あってラスボスザキラ様との命をかけた最終決戦デュエマ…!
「6ターンでお前を殺す」と宣告するザキラ様が切り札で圧倒するも
対して勝舞くんも負けずに覚醒したカードの力でシールドを全てブレイク
ザキラ様はシャンクスみたいに片腕が無くなってしまいます
カードゲームでこんなことになるって冷静に考えたらヤバいですよね
あとはパワー1000のトットピピッチでダイレクトアタックするのみです
だがザキラ様は腕がなくなったのにも動じず
「覚醒したカードを手に入れる為なら…
この腕など、くれてやるわ!!」
と言い切り
自らの手で運命を鷲掴みにしてシールドトリガーを引き当ててまさかの主人公さながらの大逆転勝利しちゃいます
このシーン今まで読んだ漫画の中で一番好きかもしれねえ………
勝利したらザキラ様は「デュエマに負けた者は死ぬ」という明朗な論理で勝舞くんを殺そうとしますが勝舞くんを導いてきたヤカンマンが身代わりになって死にます
壮絶すぎない?
そして勝舞くんに勝利し
親友の白凰くんも洗脳し
ついでに強いカードも奪い
自分達が殺した人達に敬礼するという
勝利宣言鬼丸「覇」も真っ青な勝利宣言をして
第一部 完
します
児童誌の漫画でこんな終わり方ある????????????
とまあ長々と紹介しましたが要するに児童誌だろうが手を抜かない凄まじい展開を書いてしまう
という部分も大先生が大先生たる所以でもあるでしょう
その後第二部のFEが始まり
勝舞くんはガルドを倒す為に海外へ武者修行の旅へ出ますが
親友の白凰くんがガルドに洗脳されて新たな姿ホワイトになって勝舞くんの父親を殺しかけるという素敵なエピソードがあったり
ここからは枚挙にいとまが無いので一部抜粋しますが
・敵のカップルが負けた後愛を取り戻すも組織によって体に埋め込まれた爆弾が大爆発して死んだり
・デュエマの世界大会にガルドがやってきてデュエマで大虐殺(?)した過去が発覚
・デュエマのカードを奪う為にガルドに下半身不随にされた少女が出る
・上の洗脳された白凰くんの洗脳が解けザキラに戦いを挑むも後一歩で負けて死にかける
などなど素敵なエピソードが目白押しです
地獄か?
ここまでの紹介だと児童誌なのにひたすら露悪的な漫画だと思われそうですがこんな逆境にも負けず
「自分の大好きなデュエマで命のやり取りをしない世の中にしたい」という思いで戦う勝舞くんのカッコよさだったりそんな彼を支えてくれる仲間達の熱い友情が本当に素晴らしい名作です…
そんな勝舞くんも続編のSXでは最終的にアレがああしてアレする悲惨な目に遭ったり
世界中をデュエマで荒らし回ったガルドのメンバーも全員新しい敵に殺され在庫一掃セールされちゃったりと更にエグくなっていますが…
なお現在連載中の勝舞くんの甥っ子が主人公な最新の漫画でも
・母親に虐待される主人公の親友
・人間界で両親含む自分を知る人々の記憶を消して異世界の女王になる女子小学生
・妊娠した恋人を殺され恋人の幽霊に「私の仇を取れ」と呪縛をかけられた敵のボス
などなどあいも変わらず衰えない素敵なエピソードがてんこ盛りです
というか児童誌で20年以上連載してるだけあってむしろエグさがエスカレートしてる気もします
あとやはり大先生の漫画で特筆すべきは
構図や演出の巧みさだと思います
上のバーストショットのシーンもそうですがとにかく視線誘導やコマ割りを使って迫力のあるシーンを描くのがめちゃくちゃに上手いんです!
大先生はよく「絵が下手」とか言われがちですが
実際漫画を読むといかに味方や主人公が使う切札をカッコよく、敵が使うカードを威圧感たっぷりに描写している様やドラマチックなシーンも時には感情的に、時にはドライに描いているなどの
いわゆる漫画力の高さを感じ取れます
これは僕の貧弱な語彙力では表現しきれません!
是非単行本を読み返してみたりコロコロオンラインで無料掲載されているデュエマ漫画を読んで感じ取ってみてください!
それでいて現在も大先生の漫画はまるでフェニックスの如く進化し続けています
絵は一部アシスタントさんが描いているところも無論ありますが構図、演出、ストーリーは大幅にパワーアップしており最新のジョー編はめちゃくちゃ面白いです!!!!
古き良き松本大先生を読み返すことも良いですが
新き良き松本大先生にチャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか!?
未だに成長し続ける姿も大先生が大先生たる所以なのかもしれませんね…
それに大先生が凄い部分はデュエマ以外の漫画も面白い!ということです
残念ながら僕はデビュー作の「すーぱーぷよぷよ」や連載デビュー作の「おどろき!桃の木商店街」の二作は読んでいませんが…
2011年にコロコロGという対象年齢がコロコロよりちょっと上の雑誌で連載した「錬人」は児童向けのリミッターを解除した松本大先生の容赦無さを感じた一作です
まずこの漫画の開幕がこのおどろおどろしい条文で始まる時点でもう嫌な予感しかしません
本編も戦闘用人造人間として作られた「錬人」が日本政府(旧日本軍っぽい)に追われるという非常にハードな作品
児童漫画の鎖から解放されてゴア描写や人の業やデュエマ本編以上のショタへのリョナを生き生きと描いており勢いも相まって執念すら感じる一作です
デュエマを描いている大先生しか知らない人には是非オススメの一作となっています
あの「シャーマンキング」の武井先生も絶賛した作品です!
まあ残念ながら未完ではありますが…
そしてもう一作は「ゲゲゲの鬼太郎」
2019年のアニメ版放送に合わせて別冊コロコロで連載した作品ですがアニメ版とはまったく違う松本大先生版鬼太郎的な作品となっています
ちなみにアニメ版はフジテレビで日曜9時に放送している番組なので時間はズレてるけどテレビ東京で日曜8時半に放送してるデュエマの裏番組みたいなもので
要するに裏番組をアニメガン無視で好きに描いたタイアップ漫画です
すごくない?
(引用 【京極夏彦×松本しげのぶ】驚愕!仰天!? 松本しげのぶ先生と水木しげる先生の知られざる繋がり!!【鬼太郎対談完全版第1回】 | コロコロオンライン|コロコロコミック公式)
ですが幼少期からの筋金入りの水木しげる先生の大ファンである大先生はアニメ版とはまた違ったアプローチで鬼太郎を描きました
2019年のアニメ版ではSNS、youtubeなど進化していく社会においての妖怪の生き方を中心に描きましたが大先生版は現代に蘇る古き良き鬼太郎を描いています
その作風は表紙のポーズからして鬼太郎がまだゲゲゲではなく墓場だった時代からのポーズのオマージュから
鬼太郎もアニメ版のようなクールで一歩引いた性格ではなくこんなダジャレを言うくらいちょっとトボケていてユーモラスだったり
人間の少年と妖怪の交流を重点的に描いているなど今の世の中であえて古典的でクラシックな雰囲気の漫画にしていると思いました
そして特筆すべきはやはり妖怪の絵でしょう!
かつて憧れ、絵柄の源流でもたる水木しげるのテイストを残しつつ松本大先生の独自の要素も残る迫力満点に描かれた妖怪達は大先生が幼少に読んだ水木しげる先生の「妖怪辞典」や「鬼太郎」のインパクトを自分なりに再現したい!という執念を感じます
鬼太郎の宿敵の1人でお馴染みのバッグベアードもこの通り水木しげる先生が降臨したの?ってくらいにリスペクトをバリバリに感じます
水木しげる先生の絵柄を真似する漫画家さんが増えた中、絵柄や雰囲気を真似しつつも大先生独自の視点で新たな鬼太郎を描くその姿はまさしく古き良き、それでいて新しいという愛に溢れた作品といえます
「姑獲鳥の夏」などでお馴染みで生前水木しげる先生とも交流があったあの怪奇作家 京極夏彦先生も太鼓判を押す松本大先生版鬼太郎は単行本は全2巻で好評発売中です!
余談ですが
この鬼太郎はなんとコロコロ本誌と別冊でデュエマの漫画を連載しつつ描いていました
つまりなんと月100ページも漫画を描いているのです…
コワ〜…
しかもそれ以外にも
・アニメ版の監修
・クリーチャーデザイン考案
・各種イベントでのサイン会
・子育てや家族サービス
と様々な仕事を並行して行いながらの連載を行なっていたと思うとその圧倒的多忙っぷりにはゾッとします
コワすぎ…
大先生こそが妖怪なのかもしれませんね…
というか大先生に倒れられたらデュエマがヤバいので妖怪のようにいつまでもお元気でいて欲しいものですね…
ということでこちらが松本大先生が松本大先生たる3つの理由です
僕の拙い文章ではわかりづらかったり間違えていたりする部分もあると思いますがこれを機に松本大先生の素晴らしさを知って頂けたらとても嬉しいです
ここまで読んでくれてありがとうございました!